相模大野ひとりぼっち。


「ちょっとやばいな」と思った頃にはもう遅かった。
旧友たちと新宿で集った帰り。
小田急線は0:25分発相模大野行きしかなく、片瀬江の島行きは終わっていた。
とりあえず乗ったのはいいものの、これからどうしていいかうとうとしながら考えた。

酔った勢いもあって「歩いて帰ろう」という答えが出た。
部屋のある瀬谷まで何キロあって何時間かかるか分からない。通信のもっさりした携帯ではとても調べる気にならない。まあいいか。
南口から出て、とにかく南に向かうことにした。

高架下の狭路ってなんかおしゃれ。
未開の地を歩くのは結構好き。
GRDストラップを手に引っ掛けてぶらぶら歩いた。
1:25くらいともなると人は全くおらず撮影を粘ることが出来た。
相変わらず方向音痴で駅に戻って来てしまうハプニング(!?)が起きたのでしかたなく線路沿いを歩く。

16号線に出た。たまにオートバイで通る道を目にした時、部屋への道のりがかなり長いことが分かった。
(実は相模大野がどの辺にあるか分かっていない)

すこし絞ればよかった。
ものすごい音をたててトラックが行く。
午前2時というのにいい交通量だった。物流の方々と新聞配達員の方々、おつかれさま。
標識に「↑大和市街」の表示が出たが気休めにもならなかった。

途中缶紅茶を買って最後の難関、海軍道路に入った。
春は桜並木で有名なこの道路は冬は冬らしいさみしい雰囲気でいっぱいになる。
街灯がなく両脇は開けた畑で、一直線はるか先の信号が青なのがかろうじてわかる。
夜目になった状態でも消失点の先が真っ黒だ。

モヤがかった月だけが頼り。
酔いはとっくにさめていた。

瀬谷駅で自転車を回収して、無事部屋に着く。
1:25から4:10までかかった。
退屈な徒歩を楽しませてくれたGRDに感謝。
ストラップをつけてから愛着が増したのでまたポケットに入れっぱなしにしようと思う。

※シーンモード「クロスプロセス」を多用しています。